平田オリザさん待望の新刊『NHK出版 学びのきほん ともに生きるための演劇』7月25日発売

演劇には、いま私たちが必要とするコミュニケーション力を磨くノウハウがあふれている——平田オリザさんの30年にわたる演劇論のエッセンスを、この一冊にまとめました。

SNSやZOOMといった通信手段の発達は、私たちの生活に便利さをもたらした一方、これまで他者とリアルに共有していた体験のあり方に変化を生じさせています。また、新型コロナウイルスのパンデミックにより、これまで顕在化していなかった多様な価値観が表出することになりました。自分とは異なる考えをもつ他者とうまく折り合いをつけながら共存してゆくためにはどうすればいいのか――私たちは、これまで以上に考える必要があります。

本書は、日常的な話し言葉を用いた「静かな演劇」で日本演劇の潮流を変えた、劇作家で演出家の平田オリザさんによる「多様なままでともに生きる世界」を作るための指南書です。平田さんは、20年以上、教育現場で演劇ワークショップを開いてきました。その中で、平田さんは「他者と世界を理解する」ために必要な「対話」の力を学ぶのに演劇が非常に有効であることを確信し、日本の教育に演劇が必要であると痛感したと言います。

平田さんは、次のように記しています。

  • 本書「プロローグ 多様な価値観の人がともに生きるために」より抜粋                                                ここ数年、最新の幼児教育から高等学校まで、学習指導要領の改訂によって、教育・保育・子育ての場面で「非認知能力」や「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」という言葉が注目されるようになりました。その背景には、これからの新しい時代に向けて、異なる価値観、異なる文化的背景を持った人を理解し、違いを認めあい尊重しながら、ともに働ける能力が重要視されていることがあります。   演劇は、そうした能力を実践的に学ぶ場として最適であり、人間や世界をリアルに感じるための有効な手段です。そもそも演劇は、多様な他者とイメージを共有し、価値観の差異を認め共同体を維持するために生まれた歴史ある芸術ですから、いま必要とされているコミュニケーションのノウハウがあふれているのです。

本書には、演劇の起源、日本語や日本文化の特徴をふまえ「対話」する力を鍛える方法、具体的な演劇ワークショップの実例や成果、演劇やアートなど文化を軸としたコミュニティ作りの展望などが綴られています。付録には、実際に平田さんが演劇ワークショップで使用しているスキットの台本『転校生が来る』も収載しています。演劇を通して楽しみながら互いを理解していこうと提唱してきた、平田さんのエッセンスが詰まった本書。演劇に興味がある方だけでなく、教育に携わる方、企業で人材育成やマネージメントに携わる方など、「コミュニケーション」に関わるすべての方々に手に取っていただきたい一冊です。

※NHK出版のコンテンツサイト「NHK出版デジタルマガジン」でも、本書『NHK出版 学びのきほん ともに生きるための演劇』を一部立ち読みできます(7月28日より公開)。
https://mag.nhk-book.co.jp/article/10741
 

  • 『NHK出版 学びのきほん ともに生きるための演劇』目次

・プロローグ/幕はもう上がっている
  強い運命が降りかかるとき
  リベラルアーツとしての演劇
  演劇で「対話する力」を伸ばす
  多様な価値観の人たちがともに生きるために
・第1章/人間は「演じる」存在である
  演劇の始まり
  コミュニケーションの発達と演劇
  人間は演じ分ける生き物
  「哲学」や「演劇」は対話の訓練
  共同体を維持するためのシステム
  イチゴかメロンか
  多様性理解のための演劇教育
・第2章/演劇で「日本語」を捉え直す
  世界を見る解像度を上げる
  「体験でっかち」から哲学の森へ
  日本近代演劇の台詞の違和感
  違和感の背景
  語順とアクセント
  話し言葉のカテゴリー
  「対話」と「会話」の違い
  冗長率を切り替える
・第3章/「対話の体力」を鍛える
  日本の学校教育と社会の変化
  欧米型ディスカッションが根づかない理由
  フィクションの力を借りる
  『転校生が来る』というスキット
  楽しみながら多様性を理解する
  子どもたちの変化
  「対話」が必要になるとき
  リアルな体験から引き出す
・第4章/これからをともに生きるために
  「コンテクストの違い」を知る 
  「コンテクストのずれ」をすり合わせる
  自分の背景を背負って話す
  シンパシーからエンパシーへ
  「命」だけではなく「人生」も守る
  誰もが最大限の努力をして生きている
  ゆるやかなネットワーク社会を作る
  楽しく共同体を作る人を育てる
・付録『転校生が来る』台本
 

  • 著者紹介

平田オリザさん平田オリザさん

平田オリザ(ひらた・おりざ)
1962年、東京都生まれ。劇作家、演出家、劇団「青年団」主宰。芸術文化観光専門職大学学長。江原河畔劇場・こまばアゴラ劇場芸術総監督。国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。現代口語演劇を提唱し、1994年初演の『東京ノート』で翌年第39回岸田國士戯曲賞を受賞。1998年『月の岬』で第5回読売演劇大賞優秀演出家賞、最優秀作品賞を受賞。『上野動物園再々々襲撃』(2002)で第9回読売演劇大賞優秀作品賞、『その河をこえて、五月』(2002)で、第2回朝日舞台芸術賞グランプリ、ほか受賞多数。2019年『日本文学盛衰史』(原作:高橋源一郎)で第22回鶴屋南北戯曲賞を受賞。2011年フランス文化通信省より芸術文化勲章シュヴァリエを受勲。主著に『わかりあえないことから』『現代口語演劇のために』『演劇のことば』など。小説に『幕が上がる』(2015年映画化)。

  • 商品情報

書名:NHK出版 学びのきほん ともに生きるための演劇
出版社:NHK出版
発売日:2022年7月25日
定価:737円(税込)
判型:A5判並製
ページ数:120ページ
ISBN:978-4-14-407285-7
URL→https://www.nhk-book.co.jp/detail/000064072852022.html
Amazon→http://www.amazon.co.jp/dp/4144072851
紀伊国屋書店ウェブストア→https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784144072857

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